Spotlight ~スポットライト <世紀のスクープ>~
Spotlight
監督: Tom McCarthy
出演: Mark Ruffalo, Rachel McAdams, Michael Keaton, Liev Schreiber, Stanley Tucci, Brian d'Arcy James…
あらすじ: 2002年、Walter (Michael Keaton)やMichael (Mark Ruffalo)たちのチームは、"The Boston Globe"で連載コーナー"SPOTLIGHT"を担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが…。
2016年アカデミー賞で、作品賞と脚本賞のダブル受賞を達成した"スポットライト~世紀のスクープ~"の試写会に行ってきました。
"教会"という、キリスト教徒の多いアメリカでは、最も大きいであろうという組織に立ち向かった"The Boston Globe"という新聞社と、熱きジャーナリストたちの話です。カトリック教会史上最大のスキャンダルとなった、多数の神父による児童への性的虐待、そしてそれを教会全体でもみ消したという事実。それを熱心な取材と、長い期間をかけた調査で、全世界に知らしめた、衝撃の実話が元となっています。
アカデミー賞のこともあり、大きな期待を胸に見に行ったんですが、期待以上でした。2時間以上の上映時間の中、一時たりとも頭を休める時間はなく、常にフル回転で追いかけていかねばなりませんでした。そしてそれが、実際に報道の現場にいるような緊迫感を生み、深く引き込まれました。
しかし、それと同時に少しスピード感に欠けるところがあり、悶々とする場面もありました。それもそのはず、見終わった後で友達があるWebページを教えてくれたんですが、それによるとこの作品、ほとんどすべて実話に沿っているんです(これですよ、ありがとうたまり!) この、事実だけを忠実に再現し、無駄なシーンや映画らしい過度な演出を加えないことにより、より現実感を感じることができます。そして、実際に報道の現場とは、地道な努力と絶対に諦めないジャーナリストたちの熱意から成り立っている、と教えられているようでした。そのゆっくりな進み方と同時に感じる緊迫感、これはこの映画の再現度でしか生み出せないものでしょう。
宗教が絡む作品を見ると、毎回思うのが宗教観についてです。典型的な日本人で、海外に行って現地の人に"宗教は何を信じてるの?"って聞かれるとどもる私には、正直理解できないことが多くありました。
神父たちは、貧しい家庭であったり身内に不幸にあった子供たちを選んで、相談に乗るという名目で近づき、性的虐待をしていると報道されました。貧しい家庭の子たちにとって、神父に気にかけてもらえるというのは何よりの喜びであり、親たちにとってもそれは同じであるという認識。そして、被害者家族に裁判を起こさないように圧力をかける信者たち、裁判所も弁護士も巻き込んで証拠を隠蔽する教会、こういう考え方と体制が根底にあることで、神父たちは容易に犯行に及ぶことができ、教会は容易に揉消すことができたのです。
でも、被害はアメリカだけでなく全世界に広がっていたのに、なぜ今まで誰も批判することをせず、世間の目にも触れなかったのか?なぜ、人々は子供たちの心の傷より信仰を尊重したのか?
きっとキリスト教徒じゃない私には、信仰や神をそこまで大切にする気持ちは一生理解できないのかもしれないです。でも、それだからと言って目をつぶってていい問題ではありません。理解できないから知らなくていいのではなく、理解できなくても知る必要があるという気持ちを持って、映画館に足を運んでみてください。
noe
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